たまたまスクデットとったローマにいた中田さん

−−選手のパンツ姿に笑いながら、歴史に立ち会えた感動でジンとしました。

 セルジオ越後(日刊スポーツ評論家) 日本のプロ・サッカー史で最も偉大な瞬間だと私は思う。奥寺もいた、カズもいた。その積み重ねの暁に、とうとう中田がやった。それにしても、あのバティだってセリエAの優勝は初。これまで優勝経験のない中田が、世界でもっとも難しいリーグで勝った。実力以上に、中田の強い星を感じたね。

 −−ただ、その幸運はある意味で自分で取りに行ったものです。

 セルジオ ペルージャにいては確率はゼロ。苦しくてもローマで勝負、という決断があった。事実苦労した。その真っ最中のユベントス戦でチャンスをつかんだ。中田が引き分けに持ち込んだ。終わってみれば、あの一戦の引き分けが、ユベントスとの決定的な差になっている。歴史を作ったんだ。

 −−これで他の選手にも目標が出来ました。

 セルジオ この中田を超えていく覚悟を、みんながすべき時だ。中田だって、内心は半分しか喜んでいない。チームにぶら下がるような活躍で満足する男じゃない。だから次の目標はもう決めているだろう。同じように、日本のサッカーも中田にぶら下がっていてはいけない。中田1人しか、世界で通用していない現状への、厳しい警告だと受け止める気持ちも大切だ