パルマ  ナカタを使ってパルマラットの食品をぜひ日本進出させる  ジャパンマネー

3年越しの恋人・中田英寿を獲得したパルマにとって、今後は“ナカタ効果”を
最大限に利用する一大プロジェクトをスタートさせるはずが、思わぬ誤算が浮上してしまった。
現場レベルでは全くノープロブレム。 4年契約の年俸2億8000万円、そしてエース番号の10番を
「どうしても付けてほしい」というパルマ側の要望で付けることになった。
記者会見では金色に染めた丸刈り頭で登場した中田も「ローマもパルマも実力差はない。
ずっと関心を寄せてくれたのが選んだ理由だ。このチームでも優勝できる」
と早くもV宣言だ。
問題はピッチの外でのお話だ。パルマは1986年から、乳製品を中心にした
イタリア屈指の総合食品グループのパルマラットがオーナー会社になり自力をつけてきた。
リーグの歴史が100年以上あるイタリアにとっては新興チームで“2代目”ステファノ・タンティ会長がそれを仕切る。
32歳という若さだが、すでに「ナカタを使ってパルマラットの食品をぜひ日本進出させる」ことを目標に
3年越しのラブコールを送り続け、今回ローマに対して30億円を超える移籍金を支払い念願の中田獲得となった。
ところが、だ。 当の中田はパスタ料理は好物なのだが、乳製品は大の苦手でグループの主力製品である牛乳は飲めないという。
タンティ会長は、念願だったアジア進出の第一弾として中国での製品輸出には成功したばかり。
また、かつて94年W杯米国大会の優勝イレブンで、この時のブラジル代表GKタファレルを獲得して
ラジル国内でパルマ牛乳の一大CMプロジェクトを精力的に行ってパルメイラスという強豪チームも傘下に入れた歴史ももっている。
パルマラットにとって悲願でもある日本進出には絶対、ナカタが必要だったのだ。
30億円以上のビッグマネーを投資した「中田から数百億円の利益を求めるのはビジネスとして当然のこと」
とタンティ会長は満面の笑みを浮かべていた。