トルシエ 中田評 

週刊朝日』平成14年7月26日号 トルシエインタビュー記事


「日本ではスターだったが、ヨーロッパに出たらただの人になる。そうすると、
日本人の考え方、文化では『メンツを失う』ということになってしまう。

だから、ヨーロッパに行ったけれども試合に出なかった選手が日本に戻ってくると、
サングラスをかけて、ちょっとカッコいいジーンズでもはいて、『スター!』という
恰好をして、どうしても……自分をスターふうにこしらえてしまう。

中田の例をとってみましょうか。昨年、彼はイタリアで何試合出ましたか。

でも、日本から見れば、全試合出たのと同じなんですよ。
1分出場したとしても、その写真を日本のマスコミが撮ってきて、それを1000回も流すじゃないですか。

そうすると日本から見れば『おお、スターだなあ』と思う。
まあ、これは日本のやり方だから、中田が悪いわけではないんです。

しかし、もっと静かにしておいてやったほうが、彼のためには良かった。
すばらしい資質をもっているんですから。」